クリエイター

大橋 誉志光Yoshimitsu Ohashi

1965年生まれ。アニメ業界で培われてきた丁寧で堅実な演出を受け継いでおり、ギャグからハードまで広くこなす。キャリアのスタートはアニメーターであり、過去にキャラクターデザインも手がけるなど、確実な描画力も備えている。

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WORKS

  • 『刻刻』(TV/2018)監督
  • 『AMNESIA』(TV/2013) 監督、絵コンテ
  • 『セイクリッドセブン』 (TV/2011)監督
  • 『ウィッチブレイド』(TV/2006) 監督
  • 『ギャラクシーエンジェル』(TV/2001) 監督 、絵コンテ、演出

INTERVIEW

大橋さんの場合、最終目標は監督だったのでしょうか。 そうですね。最初から最後まで、作品に関わる仕事がよかったんです。やっぱり終わったときの充実感は代え難いものがありますから。

その分、監督は苦労も段違いなのでは。 やっぱりそこは等価交換。つらい思いをしても、その分、大きな充実感が味わえます。
もちろんうまくいかない時もあるので、必ずしもいつも楽しいということはないけれど、やっぱり作品を見てくれた人が、終わってから何年経っても「面白かったです」とか「好きです」って言ってもらえると、作ってよかったなって思います。海外にイベントとかで行くと、こんな遠い国の人たちが日本の人と同じように作品を見て、ファンになってくれているとわかる。ちょっとグッと来ますよね。

アニメーターは、人それぞれ目指す場所は違うのでしょうか。 何をやりたいかによって目指す場所は違いますね。アニメーターを大きく分けると、動きを描きたい人と、絵を描きたいタイプの人がいる。両方高いレベルでやりたいという人ももちろんいますが。片方にこだわると、もう片方はあまり気にならない。
動きを作りたい人は、あまり作監をやりたがらない人が多いですよね。
人の絵を直すぐらいだったら、自分の動きを描きたい。反対に絵にこだわりたい人は、いい絵を入れることに快感を覚える。

大橋さんの場合はどちらでしたか。 僕は動きの方が好きですね。絵そのものよりも、そこにある何かを表現する。広い意味で、映像が好きなのかもしれません。もちろんいい絵を描きたいとは思ってたけど、総合的にいい映像を作っていく方に、どんどん興味が湧いていきました。

業界に入ってから気づくこともありそうです。 よく若い方から、「アニメ業界に入るために何か必要なことはありますか」と聞かれます。そういう時に僕は、「アニメは好きで見ているだろうけど、できればアニメ以外の趣味を持って、なるべくディープになってほしい。そうすればアニメ業界に入った時に役立つと思うよ」と答えています。その趣味はなんでもよくて、例えば格闘技をやっていれば、どんな構えをするのか、どういう段取りで動くのかを体感でわかるようになる。アニメーターや監督になったときに、その知識がフルに役に立つ。アニメしか見ていないと、どういう仕組みで動いているのかをよく理解しないで描くことになるんですね。僕はバイクに乗ったり、格闘技が好きだったのと、ミリタリー系が好きだったので、そういった知識や経験は役に立ちましたね。

大橋監督がアニメで表現してきたもの、表現したいものは何でしょうか。 自分の作品についてよく言われるのは、「家族」を描いているということ。家族の問題って古びないし、どの国の人にも理解してもらえるテーマなので、選ぶことが多いですね。アイデアはぼんやり考えて出てくる時もあるし、全然違うジャンルを見ているうちにヒントをもらうこともあります。思いついたことはとにかくメモして、あとでちゃんと調べる。好奇心はずっと旺盛ですね。