クリエイター
柴山 智隆Tomotaka Shibayama
1977年生まれ。 スタジオジブリに仕上げとして入社し『千と千尋の神隠し』などに参加したのち作画に転向。A-1 Pictures 作品を数多く手掛けた確かな技術と、豊かな表現力を武器に、コロリドを牽引するメインクリエイターの一人として活躍する。2020年公開のコロリド長編アニメーション映画第2弾『泣きたい私は猫をかぶる』で監督デビューを果たす。
WORKS
- 『泣きたい私は猫をかぶる』(MOVIE/2020)監督
- 『ペンギン・ハイウェイ』(MOVIE/2018)絵コンテ
- 「YKK presents『FASTENING DAYS 3』」(WebCM/2017)監督
- 「マクドナルド『未来のワタシ篇』」(WebCM/2016)アニメーションディレクター
- 『心が叫びたがってるんだ』(MOVIE/2015)演出
INTERVIEW
アニメーションの世界に入ることになったきっかけを教えてください。
よくある話で、小さい頃から「絵が上手いね」と言われていたので、東京造形大学を受けて合格し、東京に出てきました。弟が実写の映画監督をしているんですけど、子どもの頃に弟が見ていたものを横目でちょっと見ていたというのも、原体験としてあるかもしれないですね。
大学に入ると立体アニメや商業アニメなどいろんなアニメを見せてくれる授業があって、「アニメって面白いな」と思ったのがこの世界に入るきっかけになりました。
監督を務められた『泣きたい私は猫をかぶる』で得られたものはどんなものでしたか? 長編の監督初作品で、しかもオリジナルストーリー。一本走りきったということが自信につながりましたね。それが一番大きいです。
作品全体としては、柴山監督の出身地である愛知県常滑市が舞台になっていますよね。
常滑を舞台にしているので、猫島もそこから行ける世界ということは意識しました。完全に切り離さないようにしたかったので、常滑のシンボルである煙突のある橋を用意したり。完全なファンタジーにはせず、地続き感は必要だと思っています。
さらに自分が面白いと思うことをやらないと、お客さんに面白いと思っていただけない。旅行や美術館などに行ってインプットして溜め込んだものの中から、使えるものを模索していきました。僕は、最初はリミッターをかけない状態で妄想を繰り返すんです。そこにはめ込むように、照らし合わせながら整合性を取るというふうにしていました。
柴山監督は普段どうやってインプットを心がけていますか? 柔軟に、好奇心を持って、面白がって何でも拾っていきたいと考えているので、固定観念を持たずにとりあえず見て触って体験することを心がけています。その中で取捨していって、最終的には自分もお客さんも面白いと思えるものを作っていきたいですね。
この先、どの様なアニメ作りを目指されますか? 5年、10年たったときに、映画を作り続けられる監督になっていたらいいなとは思います。現実的なことを言うと、資金や人材、スケジュールに余裕を持って、プリプロに時間をかけられるような現場にしたいですね。逆算的に作ると表現の幅が限られてしまう。関わったスタッフ全員が幸せになってほしいです。