INTERVIEW

中村健治監督×山本幸治プロデューサー×プリプロルーム樽井光梨

プリプロダクションルームスタート記念 スペシャル対談 2017年より始動したツインエンジン「プリプロダクションルーム」これから新しいメンバーも募集し本格始動していくにあたり現在のプリプロルームメンバーにプリプロダクションについて語ってもらった。

 

 

山本幸治(ツインエンジン代表取締役プロデューサー)

プリプロについて、中村健治監督とは結構長くやっておりまして。 思い入れがある作品を聞かれるとノイタミナ「空中ブランコ」(2009年中村健治監督作品)をいつも上げるようにしています(笑) プリプロの経験としては業界15年目選手くらいになります。

 

中村健治(アニメーション監督)

僕は…何やってきたのかなあ。(笑)。 基本的にときどきアニメーションの監督やっていたんですけど、 最近は人にお願いしてみたりとか…、あとはぼーっとしていたりとか…(一同笑)。

山本さんに一緒に作品を作りましょうと誘われ、2017年の12月からツインエンジン所属になりました。今はプリプロルームの樽井さんと打合せすることが多いですね。

打合せなのか、井戸端会議なのか…

樽井光梨(プリプロルーム)

樽井 プリプロダクションルームの樽井です。私はこれまでアニメの宣伝をやっていたんですが、2017年の10月にプリプロに異動してきました。これまで宣伝を担当した作品はフジテレビの「暗殺教室」やノイタミナの「DIVE!!」「恋は雨上がりのように」それからavexピクチャーズさんの作品をいくつか担当していました。


 

座組やIPの制約無しに0から何を作るためのプリプロダクションルーム

 

山本 プリプロダクションルームを作った狙いについて話すと、

制作会社のプリプロは、ビジネスやクリエイターの「座組」が見えていることが多いですよね。クライアントがいて、オーダーがあって作る。なぜなら制作会社というのは受注業なので、座組が決まっている方が安心。

その制約から思いもしなかった成果が生まれるときもあるけど、座組やIPの制約無しに0から何を作るかというところでプリプロルームと作ったというところです。

今回はツインエンジンという「アニメ企画会社」が業界のニーズを先読みしながら、企画を練りに練って作品作りをし営業していこうと。

 

プリプロとはアニメの編集者のこと!

 

樽井 アニメの企画やプリプロってどういう仕事なんだろう?って私も思ってました。イメージが湧かないし、情報が無い。

そして飛び込んで半年やってみて思った事は、プリプロはマンガでいうところの編集者の役割、アニメの編集者、なのかなと思ってます。

マンガの編集者がマンガ家と一緒に作品を作るように、監督と一緒に話をしながら作品を作っているという点では近いものがあるように思います。

 

中村 ざっくりよくわからないことを「プリプロ」という感じはありますよね。型が無い。

僕は早くに監督になったので、あまり他の現場を知らなくて。

逆に言うと山本さんや樽井さんの方がいろいろな現場を見ているから比べられるのかなと思います。

アニメーションの監督同士ってあんまりつるまないんですよ。よっぽどのことがないとお茶したり、ご飯いったりしないと思いますし…僕が友達いないだけなのかもしれないんですが(笑)

山本 ほかの監督同士は結構交流してるみたいですけどね…。

 

中村 そうなんですか!?やばっ(笑)!!

 

山本 監督の仕事というか方法論が個人技に寄っているところがあるから、あまり応用できないんですよね。監督という仕事はテレビシリーズでも映画でも、没頭すると平気で数年とかかかっちゃうじゃないですか。

同時期に1本しか出来ないから、実は場数が一番少なかったりするんですよね。

監督が、企画やプリプロ、文芸とか設計の部分の場数が少ない構造になってしまっている。

 

プリプロという個人技を方法論やチームで補強したい

 

中村 プリプロって作れるようにする前と作れるようになってからの両方ある感じがしていて、究極に言うとデザインを繰り返す感じがあると思うんですよね。

どんなチームでスタートしてやるか。チーム編成もデザイン。面白い人が集まらないと面白くならないことが多い気がしていて…でも変な人ばっかりだと空中分解もしやすいんですけどね(笑)

難しいですよね。経済活動だからマーケットから自由ではないし。かといってサービス業として効率よくサービスすればいいのかというと、そうでもない。商品だけど作品でもあるというバランスが非常に難しいですよね。アニメーションって。

山本 チームマネージメントも含め、プリプロの方法論が必要なんだと思っています。

 

例えば、中村さんの作品は個性的。中村監督っぽさがあるから合うかどうかの点で100対0で決まると思うんですよ。一方、若手のコロリドは色はある、でもまだ核が無い。

 

プリプロの設計で巧く「軸」「個性」を持ち上げたいんです。

プリプロルームが、スタジオやクリエイターの個性を広げられる存在にしたいんです。

 

勝負しようと思った時の成功確率を上げるために、これまでは「個人技」と出たとこ勝負だったんですよね。

 

 

 

空中ブランコはとても良いプリプロのサンプルだったと思います

 

山本 空中ブランコはとても良いプリプロのサンプルだったと思います。

まず企画書が秀逸だったんですよ。中村さんしか実現できない企画書だったんです。

そこから驚きやテーマ、原作を掘っていった過程が、その後にもすごく勉強になっていますね。

中村 課題が共有できていたんですね。空中ブランコの時は。

原作読んで、「これどうやってアニメにする?」って。

 

山本 アニメにする理由が見つからなかったんですよ (笑)実写化もすでにあったし。でもアニメでやる以上、深みやテーマを与えたいって。

 

中村「もう、おせっかいですよね。価値を足したいって(笑)」

でも本当おせっかいって重要。

僕は空中ブランコを経てプリプロで取材をするようになりました。アニメーションを作るということにもともと悩んでいて…もう話は要らないのでは?キャラがしゃべって動いているだけで良いのでは?と思うほどに悩んでいた時期があって。

樽井 それって空中ブランコの時ですか?私、学生の時にファンとして空中ブランコの登壇イベントに行ったことがあるんですが…

 

中村 え!?そうなの?

 

樽井 その時中村監督がとても悩んでいるのが伝わってきて…。モノノ怪の時は監督も楽しかったですという雰囲気を感じたのですが、空中ブランコの時は凄く試行錯誤しています、悩みましたと仰っていた記憶があって。監督にとって今回は大変な作品だったんだなとファンながらに思っていました。

 

山本 中村さんデザイン意識があるから、テーマとか企画とかいろいろなことをデザインしようとしたときに、普通そこから入らなくて中身の物語とかテーマとかキャラクターとかから入るのですが、デザイン感覚が強すぎて壁にぶつかっていたのかも。

 

中村 そうですよね。遠目に見てこれ大丈夫かな?と悩む。

責任がある。怖いなと。考えていたのかも。

 

プリプロっていう話だと、その時はイメージをオープンにしたいという気持ちがあって。情報を共有してデザインやる人にも脚本よんでもらう。その後の「つり球」(2012年中村健治監督作品)の時も、現場でキャラデの投票したりイベント事をして、共有したりしていましたね。プリプロをしているなという手応えを感じ始めたのは「つり球」からですね。

 

プリプロルームに新しい仲間を呼び込むとしたらどのような人が欲しいですか?

 

中村 こればっかりはわからないなー。

 

山本 ものさしが1つないとダメかもしれないね。

自分の好きなものがはっきりしている ベースになる尺度がないとかな。

 

中村 できれば何らかのプロフェッショナルであった方が良いのかなと。

本人が整理してアウトプット出来る一つ必殺技を持っていたほうが良いかな。

 

山本 仕事としてやるので熱意は欲しいけど、どうやったら作品作りに関われるか考えられる人。

 

樽井 何か好きなものがあったとして、それがこうだったらもっと良いのにと思うことは誰でもあると思うんです。自分に力は無くても、よりよくするために人の力を借りてでも実現したいと考えられる人が向いているのではないでしょうか。

 

中村 「ダメだよね」と上から目線で考えるだけじゃなく、なぜダメなのかどうしたら改善するのか。また自分はなぜダメだと思うのかまで分解して考えられるといいですよね。

 

ズバリ、中村健治監督の次回作は!??

 

樽井 監督がやりたいことや、みんなに伝えたいテーマがあって、私や山本さんはお客さんに伝えるにはどんな形が最適か?ということをプリプロとして混ぜ合わせて練っているところです。

 

中村 そうですね。それをすごくやっています。

 

樽井 これを設定の部分からやっていく作業なのですが、

 

樽井「私の中では7、8割上手くいきそうっていう」

 

山本・中村 (笑)

山本 中村さんの特色の不思議なんだけどリアルを感じるという感じは(今の段階でも)ある

 

中村 1つだけ考えるのではなく、平行していろいろやっているのでどれも結構個性的ですよね。次の会議でこれやめようって話になるかもしれないけど(笑)

 

樽井 どれもビジュアル的には華やかで、面白そうな絵作りにはなると思いますよ!

 

中村 ハードル上がっていくよー(笑)でも頑張ってますよ!頑張ります!!


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